知恵袋

ここでは、食に関するさまざまな雑学をお届けします。

 今回は食べ合わせについて。

誰もが一度は、「食べ合わせ(食い合わせ)が悪い」という言葉を聞いたことがあるだろう。「合食禁(がっしょうきん)」と言われるものである。
「てんぷらとスイカ」」「ウナギと梅干し」など、組み合わせは地方によって千差万別。

昔から言われているものが多いが、いつ頃から言われてきたのであろうか。
中国の陰陽五行説で、食べ物を陰と陽に分類した事に始まり、江戸時代には、貝原益軒が『養生訓』とい書物に様々な食べあわせをあげている。

しかし、これらの食べあわせに関しては、物理的な理由はあっても、医学的、栄養学的な根拠は乏しいようだ。
有名なものを少し挙げてみる。

そのほか、「トウモロコシと蛤」や、「そばと田螺」など、海の物と山の物の組み合わせや、傷みやすいもの、消化の悪い物が多い。
これらの食べ合わせは、食べ過ぎを戒めたものや、生ものが保存できなかった昔の人たちの生活の知恵であったのであろう。



近ごろは、栄養素の吸収作用から見た食べあわせが重視されている。
相殺効果になってしまう合食禁の例としては、

 
カルシウム+リン酸塩 これが組み合わさると、体内で結合して体外への排出が促進されてしまう。ハム、ソーセージなど、ほとんどの加工食品には防腐剤や凝固剤としてリン酸塩が添加されている。インスタント食品や加工食品に偏った食生活をしていると、カルシウムの豊富な食べ物をとっても吸収されずにカルシウム不足を招く。

 カルシウム+食物繊維 食物繊維もカルシウムを吸着して体外に排出する。乳製品と食物繊維飲料を一緒にとっているダイエット志向の女性らは要注意だ。

 鉄+タンニンもともと鉄は吸収されにくい栄養素。足りないと貧血を起こし、特に月経のある女性に鉄不足が少なくない。せっかく鉄分の多い食べ物に心がけても、タンニンを取り過ぎると吸収を妨げてしまう。食事をしながらタンニンの多い緑茶、コーヒー、紅茶は飲み過ぎないように。とりわけ鉄分の豊富な昆布を緑茶で食べるのは考えものだ。


合食禁とは反対に、一緒に食べることによって相乗効果がある食べあわせをあげておく。

ヤマイモ + マグロ
 マグロの良質なタンパク質をヤマイモのムチンという成分が、吸収効果を高める。

トウフ + カツオブシ
 トウフにはアミノ酸のメチオニン・リジンが不足していますが、カツオブシがこれを補う。

ニンニク + 豚肉
 豚肉に多く含まれるビタミンB1の吸収をニンニクのアリシンがたすける。

酒 + 柿
 二日酔いの原因のアセトアルデヒドという物質を柿の果糖が分解する。

油 + ニンジン
 ニンジンに含まれるビタミンAが、油によって3倍吸収がよくなる。

シオカラ + スイカ
 シオカラの多い塩分を、スイカのカリウムとシトルリンが排出する。

さつまいも + レモン
 さつまいものビタミンEとレモンのビタミンCのそれぞれの効果が高まる。

ほうれんそう + チーズ
 吸収の悪いほうれん草の鉄分をチーズのタンパク質が高める。


また、薬と食べ物との間で、一緒に食べるのを避けたほうが良い物がある。
納豆は、健康食品の代表でもあるが、心筋梗塞や脳梗塞の薬であるワルファリンを飲んでいる人は避けた方が良い。納豆に豊富に含まれているビタミンKには、血液を固める作用がある。一方、ワルファリンは、血液を固まりにくくする作用があるため、両方が相いれないのだ。
 ビタミンKを含む食べ物には、ほかにホウレンソウ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜があるが、納豆だけがとくに問題となるのは、納豆菌が体内でビタミンKを次々とつくるからである。
 赤味の魚に含まれるヒスチジンや、チーズのチラミンといったアミノ酸も、薬との食べ合わせが問題となることがある。ヒスチジンやチラミンが体内に蓄積すると、結核の治療薬イソニアジドや抗うつ剤のサフラジンを使ったとき、高血圧や頭痛を引き起こし、ときに死に至ることも。かつて日本では、イソニアジドを使っている結核患者が赤味魚の刺身を食べて、副作用が起きたことがあった。
 また、チーズをよく食べるフランスでは、サフラジンを使っている患者に副作用が起こり、チーズ症候群と呼ばれ、話題となったことも。
 そのほか、高タンパクの食べ物は、血圧降下薬をはじめとした薬に作用し、効き目を強めたり、弱めたりすることが多いともいわれている。
 食べ合わせの副作用がはっきりわかっている薬については、病院で医師や薬剤師から、アドバイスを受けることになっている。

 おまけ

ラーメン+ライスは、糖質を代謝するビタミンB1が欠乏し、肥満と疲労感を招きやすいので、避けたいメニュー。

果物の王様と言われているドリアンとアルコールは絶対に食べ合わせてはいけない。ドリアンの持つ成分とアルコールが反応して発酵し、急激に胃が膨らみ、ときには胃が破裂して死に至ることさえある危険な食べ合わせとして科学的にも証明されている。