知恵袋

ここでは、食に関するさまざまな雑学をお届けします。

 今回はオコゼ。

虎魚

カサゴ目に属するオコゼ類の総称であるが、一般にオコゼとよばれているのはオニオコゼのことである。
オコゼ類の頭は一般に凹凸が激しく、顔つきがよくないので、名は「醜い」という古語に由来するといわれている。その醜さとは対称的にオコゼは極めて美味な魚であるから、釣りの獲物として人気がある。

浅海から200mぐらいの砂泥地に生息する。 体長30cm程度で住む場所によって黒っぽかったり赤っぽかったり、黄色っぽかったりする。
太平洋側は房総以南、日本海側は新潟県以南の南日本沿岸から、台湾・東シナ海に分布。東京では「西日本系の高級魚」と言われていたが、韓国からの輸入も増えて流通量も増え、 夏の高級魚として定着してきた。


オコゼの種類は9属30種あまりが知られており、日本にはその1/3が棲息。
オコゼ類はメバル類やカサゴ類と近縁で、背びれが頭部の直後から始まる仲間と、目の上から始まる仲間に大別される。
前者はさらに、体に鱗がないオニオコゼ、ダルマオコゼ、ヒメオコゼ、オニダルマオコゼなどを含むオニオコゼ科と、体が細かい多数の棘で覆われているダンゴオコゼ、ワタゲダンゴオコゼなどを含むダンゴオコゼ科に分けられる。
後者は、体に多数の細かい棘をもつイボオコゼ、アブオコゼ、カゴシマオコゼなどが属するイボオコゼ科と、体に棘がないハオコゼ、ハチオコゼ、ヤマヒメなどが属するハオコゼ科に分けられる。
しかし、食用とされるのはオニオコゼの1種のみである。

背鰭の棘には毒腺があり、それに刺されると激痛に悩まされる。患部は紫色に腫れ上がり、吐き気や神経マヒ・関節痛が起こる。呼吸困難や心臓衰弱になる場合もあり、死に至ることもある。
英名をデビルスティンガーdevil stinger(悪魔の棘)といい、ヨーロッパでは恐れられている。


白身で淡泊な味。ウロコのない魚なので、塩を振ってヌメリを洗い流す。大きい物は薄作りの刺身に、小さい物はブツ切りにして味噌汁にも。
ブヨブヨした皮は見た目に気持ちが悪そうだが、ゼラチン質の多い皮はオニオコゼの中で最高に美味しいところ。
また、肝はそのままか、刺身醤油につぶして、加えても良い。生臭さが気になる人は、湯にくぐらせと良い。
.中華風あんかけ、唐揚(頭やヒレなどは二度揚げすると食べられる)、煮付けも美味しい。
関西では冬にチリ鍋にする。これはフグに匹敵するほどの味わいである。

<背鰭の処理>・・背鰭の両側に包丁を入れ、ペンチで取り除く。背鰭はあとで触っても、毒が効くので、厚紙に包んで捨てるようにする。


目利きの難しい魚である。値段も高いので信頼できる魚屋で買うといい。 鮮度が落ちると全体に白っぽくなってネバネバした粘液が増え、体の張りもなくなってくる。