知恵袋

ここでは、食に関するさまざまな雑学をお届けします。

 今回はマグロ(1)。

マグロ/サバ科

「マグロ」という呼称はサバ科マグロ属の総称である。一般的にはその中の一種「黒マグロ」を指している。黒マグロは「本マグロ」とも呼ばれている。


マグロは出世魚なので、成長や大きさによって「メジ」→「中房」→「マグロ」と呼ばれる。特に大きいものを「シビ」と呼ぶこともある。また、幼魚を「カキノタネ」とも言う。


マグロは海中を高速で移動して流れ込む水中から酸素を取り込むことで呼吸をしている。そのため常に泳ぎ続けていなければならないのだ。
魚体は典型的な紡錘形。
黒マグロはマグロ類の中でも最大級で、大きいものは体長3m体重600kgを越える。


熱帯から温帯の海を中心に世界中の海に分布している大型の回遊魚である。水温によって生息する種類が異なり、黒マグロは比較的低い水温域に分布している。日本近海はカリフォルニア近海とともに分布密度が高いといわれている。
台湾近海で産卵し日本近海で育った若魚は、太平洋を横断し北アメリカ西岸に達する。その後、成長しながら北太平洋を移動して日本近海に戻ってくる。

通年出回っているが、旬は10月〜1月。「メジ」の旬は春先から初夏にかけて。
日本では青森県の大間で捕れるものが最高級品として高値で取引されている。


日本は世界屈指のマグロ消費国である。日本人とマグロの歴史は古く、縄文時代の遺跡からもマグロの骨が出土している。昔から豊漁だったために大衆魚の一つとしてしか見られていなかった。戦後になってから需要が急増し、国内の漁獲量だけでは賄い切れず、海外から冷凍マグロを輸入するようになった。
さらに近年、世界各国での健康食傾向やら日本食ブームで、世界的にマグロの需要が増え乱獲が問題になっている。国際的に乱獲防止と資源保護が叫ばれ、日本での漁獲量を2割程度減らすことが決まった。いまやマグロは高級魚である。

また天然のマグロは、水銀などの有害物質を蓄積しやすいという問題もあがっており、厚生労働省は妊婦の摂取制限を呼びかけている。


マグロは大型で長距離を遊泳するために養殖(畜養)は難しいとされてきたが、2002年、近畿大学水産研究所が世界で初めてマグロの完全養殖に成功した。現在、商業化に向けて研究が続けられている。